節分の豆まきは終わりましたが、バレンタインデーが近づいています。でも、日本は、なんで様々な信仰に関係するお祝い事が多いのでしょうか。
クリスマスが祝われたり、豆まきや縁日などは神社や寺院で開かれます。冠婚葬祭もキリスト教や仏教、神道などがあります。
特定の宗教だけを信仰している外国人からは、様々な宗教の行事に参加する日本人が不思議にみえるそうです。
でも、この日本人の多様な宗教観っていいですね。窮屈でなく開放感を感じます。
私も子供のころから、神社や寺の祭りで、金魚すくいや綿アメを食べたり、クリスマスにケーキが食べられるのが楽しかったです。
平安時代は、死刑が少なかった?
古代の日本人は、とても信仰心が強かったようです。死者が祟ることを恐れた平安時代は、原則として死刑が廃止されていました。
これは仏教の影響もありますが、もともと古代の日本人は、たいへん自然への信仰が強かったことが影響しているようです。
死刑が廃止されているので、一番重い刑が流罪です。菅原道真も藤原氏によって、京都から九州の大宰府に流されました。
菅原道真の死後、道真の祟りを鎮めるため各地に「天神様」の神社が建てられました。それほど死者の祟りを恐れていたのです。
しかし、完全に死刑がなくなったわけではありません。死刑を行うことによる祟りが怖いので、朝廷や貴族は直接かかわらず、主に武士階級に、この自分たちがやりたくないことを実行させることがありました。
また、都を離れた地方では、地域の権力者の判断で実行されていたようです。
それでも表向きは、古代の時代に300年ほど死刑が廃止されていたのです。世界の中でも、たいへん珍しいことです。
日本は自然災害が多いため、信仰心が強くなった?
石器・縄文時代から日本列島へは様々な地域から人が渡ってきました。なかでも一番多かったのが朝鮮半島から渡ってきた人々といわれています。地理的に近かったためでしょう。
しかし、朝鮮半島から渡ってきた人々は、日本に来てたいへん驚きました。日本列島は朝鮮半島と比べ、自然災害の頻度が圧倒的に多かったからです。
まず、地震や津波が多いです。大雪や大雨、雷、河川の氾濫、台風などの被害も朝鮮半島よりはるかに多かったのです。現在も自然災害は多いですが、古代は今のような土木や科学の技術がありません。
逆に雨が多く気候が温暖なため、朝鮮半島よりも農作物や木材など自然が豊かでした。
これらの理由から日本列島に渡ってきた人々は、自然に対する畏敬の念がたいへん強くなりました。そして自然にたいする信仰心が強くなっていったようです。
そのため、自然の一部である生き物を殺傷することを嫌うようになりました。仏教の影響もありましたが、鹿や猪、牛などの動物をおおやけには食さなくなったのです。
人間を殺傷するのも避けるようになりました。人を殺めた後、地震や津波、雷などの自然災害が起こると、死者の祟りだと恐れたのです。
だから、道徳的に死刑を廃止したわけではなく、祟りを恐れての死刑廃止だった面が強いようです。
この点も世界のなかで珍しいですね。
ひとこと
平安時代末期になると、武士が台頭してきて、武士による捕虜や罪人への斬首が多くなります。それでも後の戦国時代ほどではありません。
源頼朝が命を奪われず、鎌倉幕府を興せたのも、死刑を嫌う風潮が残っていたおかげかもしれませんね(●^皿^●)