鎌倉時代以降の歴史ドラマは、たくさんありますが、平安時代以前のものは、ほとんど見かけません。
現在、NHK大河ドラマ『鎌倉殿13人』が放送されていますが、鎌倉時代を描いたドラマはいくつもあります。
戦国時代や江戸時代、幕末などは、数え切れないほどです(私の記憶の範囲ですが)。
平安時代を舞台にしたドラマは、NHK大河ドラマの『風と雲と虹と』ぐらいなものです。このドラマは、昭和51年に放送され、平将門の生涯を描いています。
映画などでは、空海や鑑真など、人物中心のものはあります。
しかし、中国大陸の隋や唐、朝鮮半島の百済、高句麗、新羅などとの国際関係を描いたドラマは、見たことがありません。
逆に韓国歴史ドラマには、古代を舞台にしたドラマが沢山あります。
ネットで調べてみると、大阪放送局制作の『聖徳太子』や『大化の改新』がありました。ドラマのあらすじを読んでみると、大陸との国際関係にはあまり触れていないようです。
いずれにしろ全国放送で、古代を舞台にしたドラマを見たことがありません。
個人的には、飛鳥時代の白村江の戦いをドラマにしたら、面白と思うのですが、まったく、そんなドラマはありません。
やはり、古代歴史ドラマは、テレビ局から嫌われてような気がします。
でも、なぜ、古代歴史ドラマは、テレビ局から、こんなに敬遠されているのでしょうか(・_・?)
古代の日本は朝鮮半島の分国状態だったからか?
古代の日本が朝鮮半島の分国状態であったことは、疑いようがありません。
弥生人は、中国大陸や朝鮮半島から日本へ渡ってきました。その数、トータルで、おおよそ100万人前後と推測されています。
距離が近いので、大部分が朝鮮半島の人たちで占められていました。
一方、当時の先住民である縄文人は、20万人から30万人ぐらいと推定されています。しかも、ほとんどが関東より東に住んでいました。
ということは、古代日本の中心地である近畿地方には、ほとんど縄文人は住んでいなかったことになります。
近畿地方は、まさに弥生人(渡来人)の独占都市と化したことが想像できますね。
百済人や高句麗人、新羅人だらけで、ペチャクチャと片言で、会話している姿を想像してしまいます。
また、近畿地方には、百済や高句麗、新羅に関係する遺跡も数多く残っています(古墳に多い)。
これは歴史の事実だから疑う余地はないのですが、ひとつ問題があります。それは、日本人のアイデンティティ(存在証明)に関わることです。
日本人の神話や天孫降臨説が否定されてしまう
飛鳥時代から平安時代の日本人は、すでに日本人としての自覚とプライドがありました。「先祖が朝鮮半島からやってきた」という移民の子孫ような感覚は、ありません。
さらに、大陸の国家と対抗するためには、日本人としての日本人のアイデンティティ(存在証明)をもち、民衆を団結させる必要があります。
そのため、日本神話がつくられ、日本という国は神がつくったという話がつくられました。また、代々の天皇は、神の子孫であるという天孫降臨説もつくられました。
だから、とくに朝鮮半島から日本人の祖先が大勢、渡ってきたという事実は伏せたかったわけです。
そうでないと、日本神話と天孫降臨説が否定されてしまいます。
その証拠に、古墳時代の歴史に関する書物は、平安時代初期に、ほとんど焼き捨てられてしまいました。おそらく、朝鮮半島から先祖が渡ってきた記録が、記されていたのではないでしょうか。
・・・と、ここまでが古代の事情ですが、現代でもアイデンティティに関する問題が残っているようです。
現代でもアイデンティティを気にしてテレビ放映されない?
「もう、そんな大昔のこと気にしなくていいじゃねぇか」と誰もが思うのではないでしょうか。
しかし、現代でも、いろいろな考えの人が大勢います。
韓国や北朝鮮、中国の人たちが、どのように反応するかもわかりません。
アメリカのように歴史の浅い国であれば、スッカっと割り切れるのでしょうが、日本はそうではないようです。
つまり、テレビ局は、どんなクレームがくるかわからないから、古代歴史ドラマを放送しない、という結論になります。
これは、私個人の感想ですので、本当かどうかわかりません。
でも、良くも悪くも日本人としてのアイディンティが大切にされてきたからこそ、現代の日本の発展があったのではないかと思います。
とにかく、個人でも国家でもアイディンティは大事ですね・・・(?_?)
ひとこと
国としてのアイデンティティ(存在証明)から、いろいろな宗教や思想が生まれています。
日本神話もその一つです。ライバルの国と対抗するには、どうしても必要なものです。
このことについても、今度、書いてみたいと思います(^●∀●^)