最近、仮想通貨のことばかり書くようになりました。
別に仮想通貨がそれほど好きなわけではありません。
まわりが「ビットコインだ。仮想通貨だ」と騒いでいるから、知らないうちに影響されたみたいです?
でも、人類の歴史は、通貨とともに発展した、とも言えます。
日本の縄文時代は、自給自足と物々交換をしていましたが、弥生時代から少しずつ米が通貨の役割をするようになります。
やがて金や銀、銅銭が通貨として利用され、経済活動が活発化して、生活が便利になります。
そして、デジタル暗号でつくられた仮想通貨が現われ、今後、どうなるのでしょうか?
モンゴル人はヒツジをお金にしていた?
大帝国を築いたチンギス・ハンのモンゴル国は、税金をヒツジで徴収していました。
ヒツジ100頭につき2頭が税金として、ハン(王)に収められていたのです。
つまり税金が2パーセントだったのです。ずいぶん安いですね。
でも、考えてみれば当時のモンゴル人は、ほとんど遊牧民です。公共施設や福祉で多額の金を使うこともなかったと考えられます。税金が2パーセントでも十分だったのでしょう。
ヒツジが通貨として利用されていたので、まさに「生きたお金」ですね。
生きたヒツジの他にも、毛皮や干し肉、胡椒、鉄などの物々交換もありました。
ところが、チンギス・ハンがモンゴル高原を統一して、領土が拡大していくと、生きたヒツジや物々交換では、経済がまわらなくなります。
当然、金や銀、銅などを通貨として使うようになりました。
紙のお金である不換紙幣を発明した?
金や銀、銅などの通貨は量に限りがあります。とくに金は採掘できる量が少ないため、価値が高かったのです。現在も金は貴重品ですね。
だから、金を基準に貨幣はつくられていました。銀や銅の貨幣は金と交換できる単位で発行されていたのです。
しかし、金や銀、銅の貨幣は製造コストがかかり、重いため不便です。
そこで、モンゴル帝国が滅ぼした金国や宋国でつかわれていた「交鈔(こうしょう)」という紙幣を発行しました。
紙幣は、文字どおり、紙でつくられてお金です。しかし、金や銀と交換できることがモンゴル帝位国によって保障されています。これを「兌換紙幣」といいます。
しかし、中東やヨーロッパまで領土が広がると、交換できる金や銀の量が不足するようになりました。
そこで考え出されたのが、「不換紙幣」です。金や銀と交換できない紙幣です。モンゴル帝位国の信用だけで発行された紙幣です。
この不換紙幣で、税金の支払いやあらゆる取引ができるようになりました。
当時の人々は、この不換紙幣を、現在の仮想通貨のような感じで利用していたかもしれません。
最初のころは、とても不安だったことでしょう(´Д`q汗)。
実際、モンゴル帝国が内乱などで不安定になると、たちまち不換紙幣の信用は落ち、紙くずとなりました。
ふたたび、金や銀を貨幣として使うか、金や銀との交換が保障された兌換紙幣が使われるようになったのです。
ひとこと
日本では1942年に不換紙幣が発行されました。しかし世界では、兌換紙幣が主流でした。
不換紙幣が世界の主流になったのは、1971年のニクソン・ショックあたりからだといわれています。
それまで金との兌換(交換)が保障されたアメリカドルでしたが、金との兌換(交換)が廃止され、不換紙幣となったのです。
それからプラザ合意をへて、アジア通貨危機や日本のバブル崩壊など、大きな経済変動がありました。
ビットコインなどの仮想通貨も、なにかやらかしそうですね(●´∀`●)。