みずおのアレコレ話

健康と歴史の本の読書が好きです。仕事の合い間に小説も執筆中です。完成が楽しみです!

平安時代、藤原氏は、なぜコケたのか?

この世に永遠の権力など存在しません。平安時代の藤原氏も同じでした。

平安時代の後期には、実権が天皇家へ移り、藤原氏はコケてしまいました。やがて天皇家の実権は、天皇家の内紛が原因で、武士に奪われます。

武士の政権も、平氏から源氏へと移り変わり、やがて鎌倉時代がはじまりました。

なぜ、平安時代の末期は、政権がコロコロと移り変わったのでしょうか?それは社会構造の欠陥により、民衆の不満が爆発したからです。

「貴族だけが贅沢に暮らしやがって!」という感じです。

たまりに貯まった民衆の不満が津波のように広がり、社会構造のガラクタ部分を押し流した時代だったのです。

過酷な税で苦しんでいた民衆

平安時代、民衆は重い税金に苦しんでいました。

農民が稲の年貢を国司に納める場合、国元のため大きな負担にはなりませんでした。

しかし労役は国司のもとで、タダ働きしなければなりません。その間の食事や生活費は自腹です。

さらに過酷なのが特産物です。特産物を納めるために、京の都まで運ばなければなりません。旅費はすべて自腹です。帰りの道中で食糧が尽き、餓死する農民もいたそうです。

その反面、「京の都」の藤原氏などの貴族は、農民から集めた年貢で贅沢三昧の暮らしをしていました。庶民の口には入らないチーズや蜂蜜や高価な菓子などを食べていました。

夏には、なんと氷で酒を割り、オンザロックで飲んでいたそうです。

もちろん、冷蔵庫などありません。冬にとれた氷を氷室で保存して、夏になると飲料を冷やすために使っていたのです。

お遊びも盛んでした。

民衆が過酷な労働やで苦しんでいる中、貴族は汗もかかず、和歌や百人一首、蹴鞠を楽しんでいたのです。

こんな世の中が長く続くはずがありません。少しずつ平安時代の権力構造は、くずれはじめていきました。

当時、国の大半の富を独占していた藤原氏からくずれ始めたのです。

 

藤原氏は、男の子が生まれずコケた

 

えばり腐っていた藤原氏も、平安時代の後期には、力を失っていきました。

なぜ藤原氏は、コケてしまったのでしょうか?天皇家が「上皇」という存在をつくったからです。藤原氏は、天皇の代行をする「関白」という役職をつくって、権力を握りました。

ところが、ある時期、朝廷は「上皇」という天皇より上の存在をつくって、藤原氏の「関白」から権力を奪ったのです。

もちろん、藤原氏は自分たちの権力を守るために抵抗しましたが、あるミスを犯して「上皇」という存在を許してしまいます。

 

その「ミス」とは何でしょうか?

 

藤原氏の血筋を受け継いだ天皇を出せなかったことです。

 

藤原氏の「権力の源泉」は、藤原氏の娘を天皇に嫁がせて、常に藤原氏に血縁のある男の子を天皇即位させることによって、生まれたものです。

つまり、藤原氏の「お母さん」や「お爺いさん」の言うことを聞くように、皇子を幼い頃から洗脳していたのです。

その「お母さん」と「お爺いさん」が両親共に天皇家になってしまうと、どうなるでしょうか?

それまで藤原氏に好き勝手に朝廷を牛耳られていた天皇家は、当然、将来の天皇である皇子に対して、藤原氏の悪口ばかり言います。

その皇子が成長して天皇になると、藤原氏で占められた関白を「このバカ」という感じで無視して、天皇による親政を行います。

天皇引退後は、上皇となり院政をしき、実権をにぎり続けることもありました。

こうなると藤原氏は、完全に権力の座から、ころげ落ちてしまいます。

もともと、日本の年貢の大半を独占していた藤原氏を恨んでいた民衆が多かったため、「藤原氏を潰すチャンス」とみた勢力は、藤原氏を潰すために、勢いを増しました。

 

やがて上皇と天皇が争う時代がやってきて、平家や源氏などの武士が台頭してきました。

そして平安時代が終わると、武士が実権を握る鎌倉時代がやってきたのです。

 

今回の衆議院選挙も、国民の洗脳が溶けかけた結果?

 

現在の新聞やテレビは、国民に対して、正しい報道ができない状態になっています。権力者からの圧力が非常に強いからです。

日本の政治を動かす政官財の力は巨大です。権力に批判的なことを報道したら、とんでもない目に合います。

これ、似ていませんか?

平安時代、藤原氏が幼い皇子を洗脳する行為に?

過去、国民は、新聞やテレビなどでしか政治の善悪を判断するしかありませんでした。平安時代の「洗脳された皇子」と同じ状態だったのです。

しかし現代は、「高度情報通信」の時代です。

新聞社やテレビが報じない真実も、SNSなどインターネットを通じて知ることができます。

国民は、まるで藤原氏からの「洗脳から逃れた皇子」のような状態になりつつあるのです。

つまり、権力者の洗脳から「国民」が逃れつつあるのです。

平安時代は、天皇が「真の権力者」でしたが、令和の時代の真の権力者は誰でしょうか?

天皇でも政治家でも役人などでもありません。

そうです。国民なのです。

日本は民主主義の国です。国民が主権者なのです。

だから今回の選挙結果は、ネットやSNSなどによって、洗脳から解放された国民の逆襲がはじまったとみるべきかもしれません。

平安時代は、貴族の政権が終わり、武士の政権に移り変わりました。

令和の時代は、一部の人間が得する政権が終わり、真の「民主主義」の時代が始まろうとしているのかもしれませんね。

 

ひとこと

 

「歴史はくり返す」といわれますが、平安時代と今の時代は、よく似ています。


現代の硬直化した権力構造は、なかなか強固のようにみえますが、必ず改善される日がやってくることは間違いないです。


永遠の権力など存在しないからです。


今回の衆議院選挙の結果を見て、その日は、着実に近づいていると思いましたね

(●^U^●)