ブログは長いことお休みしていましたが、短編歴史小説を三冊書きました。
その中の一つ「鑑真の使命」は、我ながらに斬新な内容だと自己満足しています。でも、他人からみたら、アホだと思われるかもしれません。
鑑真は、戒律を説く律宗を日本に伝えたことで有名ですが、私は、絶対に天台宗を伝えにきたと思っています。
ところがネットや書籍を見てみると、律宗をメインに伝えにきて、天台宗はオマケで日本に持ち込んだ感じで書かれています。
絶対に違うと思います。
なぜならば、律宗は、会社でいえば就業規則のような教えだからです。勤務時間や休日、無断欠勤はいけない、セクハラもいけない、などというような細々とした規則が説かれているからです。
就業規則のような、つまらない教えを、命をかけてまで鑑真が日本へ伝えようとするでしょうか。
やはり社運をかけた極秘事項のようなものでないと、なかなか、あそこまで頑張れないと思います。
ちなみに仏教の代表的な戒律の五戒は、不殺生戒(生き物を故意に殺してはならない)、不偸盗戒(他人のものを盗んではいけない)、不邪婬戒(不道徳な性行為を行ってはならな)、不妄語戒(嘘をついてはいけない)、不飲酒戒(酒類を飲んではならない)・・・・・・などです。
お酒を飲んではいけないというのは、ちょっといやですね。実際は、酒のことを般若湯といってお坊さんはガブガブ飲んでいたそうです。
不道徳な性行為もかなり行っていました。これはあまり気持ちよくないので書かないことにします。
律宗よりも天台宗のほうが歴史に与えた影響が大きい
そうなんです。律宗は、比較的、影響力が非常に小さい宗派とも言えます。私の家の付近はおろか、どこへ行っても律宗の寺を見たことがありません。
それに比べると、天台宗と天台宗から派生した浄土宗、浄土真宗、日蓮宗の寺院の数はメチャクチャ多いです。
それだけ天台宗の影響力が強かったことを物語っています。織田信長が争った宗派も天台宗、浄土真宗、日蓮宗などです。
戦国時代、この三宗派は巨大な暴力集団と化していました。ときに戦国大名以上の軍事力をもち、恐れられていました。
天台宗は、良い面でも悪い面でも歴史に大きな影響を与えたのです。
宗教は水や火と同じだ
水や火と同じで、利用の仕方で善にも悪にもなります。
火を誤って利用すると火傷や火事の災難を起こします。暖防や灯り、料理、風呂などに利用すれば恩恵をもたらします。
宗教もおなじではないか・・・・・と思っているのですが、これがなかなか難しい。
というのも宗教は、とても抽象的だからです。人によって、どのようにでも、とらえることができます。だいたい自分の都合のよいように解釈することが多いのではないでしょうか。
だから天台宗からも浄土宗、浄土真宗、日蓮宗などの宗派が派生して、さらに孫やひ孫の宗派まで派生していきました。
あらゆる面で日本の宗教界に大きな影響を与えた天台宗は、それだけ価値のある教えなんだといえるのではないでしょうか。
そう考えると、やはり鑑真は天台宗を日本に伝えにきたと思ってしまいます。
ひとこと
そもそも人間の心自体が、とても抽象的ですね。