韓国や中国の歴史ドラマを見ていると、やたらと奴婢(奴隷)が登場することに驚きます。
日本の歴史ドラマや映画、漫画で、奴婢が出てくるシーンを見たことがありません。
これはいったい、どうゆうことなのでしょうか。日本には、奴婢はいなかったのでしょうか?
ネットで「奴婢-ウィキペディア」を見たら、日本にも奴婢がいたことがわかりました。
でも、日本の奴婢は、中国や朝鮮と比べると、扱いが寛容だったようです。
江戸時代には、人身売買を犯すと死罪になり、公に奴婢は存在しなくなりました。
といっても江戸時代は、300前後の藩が独自に領地を支配していました。
なので「人身売買の禁止」が、すべて藩で実行されていたかどうかは、定かではありません。
少なくとも幕府の支配地では、実行されていたのでしょうね。
日本は奴婢の廃止が早かった
中国や朝鮮は、古代から異民族との争いが絶えません。戦で負けた側は、奴婢として扱われることが多かったのです。
遊牧民や狩猟騎馬民族は、異民族の奴婢を、家畜のように扱うことがありました。
捕虜を奴婢にするだけでなく、罪人や借金を払えない民も奴婢にしていました。
ところが、日本は島国のため、同じ日本の民族同士で争います。戦で敗者を奴婢にしたとしても、大陸の中国や朝鮮ほど、ひどい扱いにはならなかったようです。
日本の律令制の時代(飛鳥、奈良、平安)、主人が勝手に奴婢を殺害すると、重い罪が科せられました。
また、日本では江戸幕府(1603~1868年)が人身売買(奴婢の)を禁じました。しかし、年貢上納(借金返済)のための娘の身売りは認められていました。
中国で実質的に奴婢が禁止されたのは、中華人民共和国(1949年~)の時代からです。朝鮮は日韓併合(1910~1945年)の前まで奴婢がいました。
日本人の記憶からほとんど消えてしますほど、日本は、奴婢の廃止が早かった、といえそうです。
だから、日本の歴史ドラマに奴婢が出ないのかもしれません。これは私が見た歴史ドラマの範囲での話しですが・・・・。
奴婢の解放に力を入れた信長
戦国時代の織田信長も奴婢の解放に力を入れました。
この時代、農民が兵士を兼ねていることが多かったのです。
しかし、それでは効率が悪いので、専業の兵士と農民をつくり、「兵農分離」しました。
そして、農業にたずさわる奴婢(農奴)を、小作人、あるいは本百姓にしたともいわれています。
奴婢から開放された農民は、やりがいを感じ、一所懸命に農作業に励みました。
人から使われているのではなく、独立経営者になったのですから、頑張れたのです。
もちろん、その分、信長の年貢も増えたわけです。
江戸幕府は、士(武士)・農(農民)・工(町人や職人)・商(商人)・賤民(えた、ひにん)などの身分制度を定めました。
奴婢の存在は消えていましたが、信長の影響も受けていたのかもしれません。
ひとこと
西洋の奴隷制度は、東アジアより、かなり過酷だったようです。
日本人でよかった、と思います(●´∀`●)