金正男(キムジョンナム)氏の殺害事件が、連日にわたって報道されています。なぜか「韓国歴史ドラマ」を彷彿(ほうふつ)させる事件です。
北朝鮮が関わった明確な証拠はないようですが、関与が疑われています。
政権を脅かしそうな兄弟を亡き者にする展開は、「韓国歴史ドラマ」ではやたらと登場するシーンです。金正男氏の事件も、まるでドラマか映画の世界みたいです。
もし、本当に北朝鮮が関与したのならば、国家の後進性を露呈するような事件ではないでしょうか。
北朝鮮の最高権力者・金正恩(キム・ジョンウン)の周囲への残酷な仕打ちをみると、高麗や李氏朝鮮の王朝が、北朝鮮で今でも続いているかのようです。
独裁者が邪魔者を排除して、政権の延命を図るが、やがてその独裁政権も倒されてしまう、といのが歴史のひとつのパターンです。
そう考えると金正男の弟の独裁者・金正恩は、いつまで政権を保ち続けられるのか実に危ゆい感じです。
元(中国)の人質が高麗(朝鮮)の王になったことがある
今回の事件で、とくに思い出すのが韓国歴史ドラマ「シンドン~高麗中興の功臣~」と「ホジュン~伝説の心医~」です。
「シンドン」では、元(中国)で人質だった王子・江陵大君が、元の後押しで高麗(朝鮮)の王になります。第31代の高麗王(在位:1351年 - 1374年)の恭愍王(きょうびんおう)です。
もちろん、恭愍王の前王と一族などは、国内の親元勢力によって粛清(しゅくせい)されました。
元や親元勢力の力が強いため、恭愍王には強い権力がありません。
傀儡(かいらい)に近い恭愍王でしたが、奮戦して高麗を改革しました。しかし最後には、内官(宦官)によって殺害されます。
金正恩からみれば、兄の金正男は、江陵大君のように王位(権力)を脅かす存在だった、といえるかもしれません。
日本で生涯を終えた李氏朝鮮の王子
現在、無料のGYAOで韓国歴史ドラマ「ホジュン~伝説の心医~」を見ています。
時代は、豊臣秀吉の朝鮮討伐も含まれており、当時の王である宣祖や、王子の臨海君、光海君が登場します。
宣祖の長男・臨海君の王子が加藤清正に捕らえられ、日本に送られます。そして、千葉県鴨川市にある日蓮宗・誕生寺の僧侶となり、日延と名のります。
徳川家康が天下をとった後、日延は、朝鮮への帰国が許されますが、それを断わり日本に留まります。
朝鮮では宣祖の次男・光海君が王になっていました。光海君は、日延の父・臨海君に敵対して王になったのです。
だから日延が朝鮮に戻れば、王位を狙う敵とみられ、命の保障がありません。日延は戻りたくても戻れなかったのです。
後に東京都港区白金台の日蓮宗・覚林寺に移り、日本という異国の地で生涯を終えます。
北朝鮮に戻れず、他国で生涯を終えた金正男に、少し似ていますね。
スポンサードリンク
Yahoo!プレミアムの中の「Yahoo!JAPANサービス」で、GYAOの動画が無料で楽しめます。
私は、ドラマやドキュメントを、いつも楽しんでいます。
ひとこと
何度、見ても政争で親子兄弟が争う姿は、たいへん痛ましいものです。
本来、助け合うべき家族が敵同士になってしまうのですから、とても悲惨です。
権力とは、恐ろしいですね(●゚д゚●;)