戦国武将の人気ランキングを「NAVERまとめ」で見たら、織田信長が一番になっています。信長は人気を常に上位に保っているようです。
ところが、以前の信長の人気は20位にも届かなかったそうです。いつごろかというと、かなり前です。おそらく昭和から平成に移るあたりでしょうか?
織田信長を詳細に描いた歴史小説「下天は夢か」津本陽・著が発売されたあたりから、信長の人気が上昇したのです。
それまで織田信長といえば、比叡山焼き討ちや本願寺門徒を大虐殺したことから、とんでもない大悪人と思われていました。
詳細に信長が描かれた小説「下天は夢か」
小説家・津本陽も、あまりにも人気のない人物だったので、信長の小説を書くのが嫌だったそうです。しかし、出版社の熱心な懇願により、執筆に踏み切ったのです。
執筆をすすめるうちに津本陽は、信長に対する見方が少しずつ変わりました。最後には、大悪人どころか日本史上でも稀有な優れた人物であると、信長の評価を変えています。
そして、郷土史家や専門家から信長に関する詳細な情報を得て、長編・歴史小説「下天は夢か」を完成させました。
かなり詳しく書かれた長編小説なので、読むのに時間がかかりますが、それまで知られていない信長が少しづつわかってくるので、面白かったです。
ゲームで遊んでいるうちに信長に興味を持ち、「下天は夢か」を読む人も多いそうです。
信長の実行力が素晴らしい!
信長に関する小説やマンガ、ドラマを見ていて気持ちがいいのは、自分のやりたいことを躊躇せず実行することです。
当時の日本で本格的にすすんでいなかった兵農分離や楽市楽座、その他に鉄砲軍団、鉄鋼船の建造、関所の撤廃、奴婢の開放、政教分離政策など数えきれません。
比叡山焼き討ちや本願寺門徒の大虐殺も、決して許されない残虐行為ですが、古いものに囚われない信長の優れた判断力と実行力であると、今では評価されています。
本当、読んでてスカッとします。
津本陽は、小説や随筆のなかで、これら信長の功績を紹介しています。私も読んでいて、なるほど!と思いました。
また、ここまで細かく信長のことを調べた津本陽も、すごい小説家だと思いました。
司馬遼太郎の「国盗り物語」も読んだことがあります。小説の主人公が前半・斉藤道三、後半・信長でした。とても面白かったのですが、信長の功績については詳しく描かれてはいませんでした。
津本陽こそが、真実の信長を世にデビューさせた小説家である、といえるかもしれません。
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ひとこと
あまり知られていない歴史上の人物を主人公にした、津本陽の小説が幾つかあります。
幕末最強の剣士であった仏性時弥助の「修羅の剣」、薩摩で示現流を創始した東郷重位の「薩南示現流」、大東流合気柔術・宗家である武田惣角の「鬼の冠」などがあります。
薬丸自顕流や天真正自顕流についての小説も読みたいのですが、探してもありません。お正月、自分で書こうかな、とも思いましたが不可能ですね(´Д`q汗)